第3話

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後で聞いた話は、私がいなくなった事に気付いた兄は友達に妹がいないけどどこへ行ったか知らないか?と聞き、邪魔だからついてくるなって言われてたと他の友達から聞いたらしい それを言った友達を問い詰めて、それが本当だったと知ると、すごい勢いで友達に掴みかかり、一発お見舞いを喰らわせたらしい 兄いわく、ちょっと軽~くチョンってつついただけだよ あんなんで転んで怪我するなんて軟弱なんたよ ってほざいてたけど、一緒にいた他の友達が言うには、あまりの勢いにビックリした!あんな陸は見たことないよ!3人がかりで必死で止めたんだから って言ってた 何がチョンと軽くつついた…だよ でも私を思って怒ってくれた兄をその当時は本当に本当に大好きだった 兄が学校から帰ってきてから次の朝、また学校へ行くまでずっと兄にくっついていた 食事もお風呂もテレビも買い物だっていっつも一緒、寝るのもいつも一緒……そういった状態は兄が中学生になる頃まで続いた 兄が中学生になってからはさすがにお風呂は一緒には入らなくなったが、それ以外では相変わらず仲良しだった 毎日ではないけど、たまに私が怖い夢を見た時とかは兄のベッドにもぐりこんで一緒に寝たりした でも私が中学へ上がりそれが普通ではないということを感じ始めてからは、友達の手前もあって兄とは距離を置くようになり、家の中でもあまり口をきかなくなった さすがに大学生だった兄はあまりベタベタくっついてくることはなくなったけど、その分帰りが遅かったりすると携帯にしつこく連絡してきてり、誰とどこで何をしてたのか根掘り葉掘り聞くようになり、門限や連絡のルールなどに厳しくなり、友人関係にも口を出すようになってきた 中学二年生のときに、先輩から告白され付き合って欲しいと言われたのを、どこで情報を仕入れたのか兄に知られ、猛反対された 別にその先輩を好きではなかったからどちらにしてもお断りするつもりだったけど、かなりおもしろくなかった
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