第3話

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高校に上がってからも兄の過保護ぶりは続き、忙しい母に替わりよく面談や学校行事などに来ていた 年が四つしか離れてないから保護者とは誰も見てくれなくて、先生は兄だともちろん知っていたけど、友達は兄のことを彼氏だと勘違いしてる子も何人かいて嫌だった 兄は全く気にしていなかったみたいだけど、それがまたちょっとムカついた でも今考えると おそらく兄は早くに亡くなった父の替わりもしてくれていたのだと今になって思う その当時はただただ兄が鬱陶しく大学へ進学したらまだこれが続いてしまうし、一人暮らしなんて余計な出費はとんでもないと言われること間違い無しだと思い、就職希望で家からは遠くて通えない所、だからこれを機会に自立するためにも一人暮らししたいと言ったら、案外なんてことなくすんなりと話が決まった 一人暮らしを始めて最初のうちは毎日連絡しなさいってうるさかったけど、私も六年の歳月をかけて徐々にジワジワ反抗して、今では三日に一回くらいの割合で連絡が入るまでに減ってきた 長かった………… 兄には佑と付き合っていることは話した 手放しで喜んではくれなかったけど、特に反対もされなかった たまに佑君とはどうなの?と聞かれることはあっても詳しく聞いてくることはなかった 佑のことは聞かれるまでは兄には黙っておこうと思う 余計な心配かけたくないしね……
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