第3話

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リビングの明かりをつけ、キッチンのカウンターの上にカバンを置く 窓を閉めきっていたせいか部屋の中が少し蒸し暑く、ベランダへの窓を少しだけ開けた 上に羽織っていた薄手のジャケットを脱ぎカウンターの椅子の背もたれに掛ける そこまでしてふと佑を見るとリビングの入口のドアの前で立ちすくんでいた まるで捨てられた子犬のようにしゅんと俯いて今にも泣き出しそうな顔をしていた なんだかわからないけど、何故かおかしくなって私は佑に言った 「そんなとこにいないで入ったら?今コーヒーでも入れるね」 自分で言って自分の落ち着き具合にビックリする 何この余裕の発言! 私どうしちゃったの? 極限状態のあまり開き直っちゃったのかな? 人間追い込まれると意外な一面を発揮出来るものなのかしら? まぁ、今更ジタバタしても仕方ない もんね とりあえずコーヒー入れよう そう思ってキッチンへ入ろうとしたら 「蒼空  ごめん 俺  バカなことした 取り返しのつかないバカなことして一番大事な蒼空を傷つけた 謝ってすむ事じゃないのはわかってる ましてやあんな場面見せちゃって…… 蒼空のこと……傷つけた 本当にごめん」 といきなり正座し床に頭をこすりつけて謝ってきた 「許して欲しいなんて甘えた事は言わない…… 蒼空が受けた衝撃を考えたら…… 蒼空は絶対こんなバカな事はしないだろうけど…もし…もしも逆の立場だったら…… 俺……相手の男 殺しちゃうかもしれない 蒼空の事も…きっと許せないと思う 」 床に頭をつけたままで話を続ける佑を私は黙って見ていた
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