第3話

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報告会は課長が来てからということで、それぞれみんな隣や近くの人と楽しくお喋りしていた 私も珍しく主任と喧嘩腰ではなく穏やかに話が出来て、なんだか拍子抜けしつつも、主任の違う一面を知れたみたいで嬉しかった 口は悪いけど、いい奴なんだよね… 私は主任との話が楽しいのと、佑と課長のモヤモヤを消したい思いでいつもより早いペースで飲んでいたらしい 「遅くなりました」 19時30分を過ぎた頃、課長が到着した 課長は既にいい具合に出来上がっているみんなを見て、フッと笑い、私の隣に座った 「始まって1時間で既に酔っ払い集団かよ  毎度の事ながら凄いな、みんな……」 小声でそう呟き、ヒカルさんにビールを注文した 『かんぱ~い!』 課長のビールが来て、今日初めての乾杯をする 報告会はどこへやら、みんな完全に仕事を忘れてひたすら飲んでる ヒカルさんのお店は料理も絶品揃いでどれを注文してもハズレがない 私は普段あまり飲まないくせに、今日はもう3杯目のサワーを飲んでいる 「佐伯、大丈夫か?お前今日飲み過ぎじゃないのか?」 「アハハ、だいじょ~ぶれすよ ぜんぜんまだまだ飲めます!!かちょ~こそちびちび飲んでないで、ペース上げて気合い入れて飲んで下さいよ~」 アハハ~なんだか楽しい~ 「おい、橘!コイツどんだけ飲んでんだ?」 「そんなに飲んでないと思いますよ ……ただ…今日はなんかおかしいっていうか…心ここにあらずって感じで…何かあったんですかね……」 「ちょっと課長も主任もくだらないこと言ってないで飲みましょ~」 「こいつ、酒癖悪いな」 課長が呆れたようにボソッと呟いた……
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