第3話

46/52
前へ
/52ページ
次へ
遠くでみんなの話し声がかすかに聞こえてくる…… まだみんな飲んでるんだ~ よく飲むな~ みんなの声を子守歌に私は心地よい眠りにつく ……でも私どこで寝てるんだろう? 顔の下が柔らかくて暖かい 少しだけ目をあけてあたりを見る ん?暗い…… みんなの足が見える…… 私の目の前には向かいに座っている松澤君や真由ちゃんの膝から下が見えている 私の頬があたっている感触は…… ……誰かの腿の上? 左の頬が下になっていて、向かいに座っている人の足が見えるって事は……えーと、左隣の人の腿の上ってことだから…… うわっ!課長だ! イヤだ、私課長の膝枕で寝てるの? いやいや有り得ない マジで有り得ない 何様なんだ! 起きあがろうとしたら課長の手が私の頭を押さえた テーブルの下だからみんなからは見えないと思う…… 押さえた手がゆっくりゆっくり髪を撫でる 起きるに起きれなくなり、寝たふりを続けるしかない…… 昼休みに給湯室で髪を撫でられたあの手と同じ優しい手…… やっぱり昼間のアレは現実だったのかな?それとも昼間ももしかして今も夢見ちゃってるの? 夢か現実か、わらない でも撫でられるとすごく気持ちいい あーこの手、好きだな……
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1565人が本棚に入れています
本棚に追加