第3話

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「ごめんなさい……ちょっと悪乗りし過ぎました。 でも実際課長でも主任でも松澤君でもなく、彼氏さんに迎えに来てもらうのが一番いいんじゃないんですか?彼氏さんからしたら、例え会社の人でも酔って寝ちゃってる自分の彼女を家まで送ってもらうのは嫌だと思います ましてや密室に二人きりなんて…課長達を信用してない訳じゃないけど、彼氏さんの立場だったら絶対嫌ですって!」 「うーん、それもそうね じゃあ、一応連絡してみて都合が悪ければ課長に送ってもらいましよう」 は、華子さん… いやいや、それはダメダメ 昨日の今日でまだ無理! 佑だって困るだろうし… 「あのさ、もういいか?お前達が佐伯を心配するのはわかるが、残念ながらコイツの彼氏は今大事な接待中だ さっき、ここへ来る前に三星堂製菓に寄ってきたんだか、ちょうど営業課長と上條さんが出掛けるところにでくわして、今日はこれから社運のかかった大事な接待なんだ、と言ってたからな そんな最中に電話なんてかけたって勿論出ないだろうし、仮にタイミング良く出れても困らせるだけだろう うまくいけば時間的にちょうど商談がまとまる頃だろうし…… 勝手にそんな事したら佐伯に恨まれるぞ」 そうなんだ 佑、今頃頑張ってんのかな? 商談成立するといいね そんな訳で私は課長が送って行く事に決まったようです 今さら狸寝入りでした、ごめんなさいとも言い出しにくい雰囲気なので、成り行きに身を任せることにした 課長、重ね重ねご迷惑おかけします あと少しお付き合い下さい ごめんなさい……。
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