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すぐに唇は離れた…
離れてしまった温もりが寂しくて、課長を見る…
「そんな顔しないで……
止まらなくなる」
そう言ってもう一度私にキスをした
「桐谷さん、タクシー来ましたよ」
ヒカルさんの声がして、ここがヒカルさんのお店だったことに今更ながら気がつく
「あ…わたし…
やだ…ごめんなさい…」
何故こんなことしてしまったのか、とまどいと恥ずかしさでどうしていいのかわからない
「謝らないで
俺が悪い…
さぁ 帰ろう」
そう言った課長の顔は悲しそうに見えて、私は何故か泣きたくなった
なんだろう この感情は…
胸の奥がギュッとして苦しい
一人では立ってられないくらいの切なさに押しつぶされそうだ
これが何なのか、わからないほど鈍くはない
でもダメ…
もう傷つくのは嫌だし怖い
佑の事が好きなのに、どうして?
どうして、課長が気になってしまうの?
今私は弱っているからなの?
しばらくグルグルと思いを巡らせていると
「さあ、一緒に帰ろう」
ニッコリ笑って課長がそう言った
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