第3話

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玄関で靴を履く佑の背中をじっと見つめる ……まだ泣いちゃダメだ 靴を履いた佑が振り返り私を見る そして 佑の手が私の頬に触れそうになった瞬間、反射的に私はその手を拒絶した 他の人に触れた手で私に触れないで 行き場をなくした佑の手は宙をさまよいガクっと落ちた 「蒼空…本当にもうダメなのか 今すぐじゃなくてもいい 蒼空の気持ちが落ち着くまでいつまででも待ってるから、もう一度話をさせて欲しい 女々しいと思われてもいい 俺は蒼空を失いたくないんだ もう一度、もう一度だけ会って欲 しい 頼む……」 そう言って頭を下げる 「わかった ……連絡する」 私がそう言うと佑はハァ~っと息を吐き出し、少しだけほっとした表情で 「ありがとう 連絡待ってるから いつでもいいから……朝早くても真夜中でも仕事中でも 蒼空がかけたいと思った時でいいから… ずっと待ってるから…」
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