第3話

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どのくらいの時間そうしていたんだろう リビングの開いたドアから涼しい風が吹いてきてベランダへの窓を開けたままにしていた事を思い出した いくらここがマンションの三階で簡単には侵入出来ないとしても、深夜だし仮にも年頃の女のひとり暮らしなんだからもう少し警戒心を持たなくては 自分に気合いを入れ「せーの」と声に出して立ち上がる リビングへ向かおうとして あ、いけないいけない 玄関の鍵かけなきゃね! どうも私はどこか抜けているみたいだ 仕事ではあまり失敗はしたことがないと自分では思っているが(周りがどう思ってるかはよく知らないけど……とりあえず苦情らしきものは受けた事はない)、でも プライベートは酷い有り様だ ドジなんて可愛らしい言葉で片付けられないような洒落にならない事をよくしてしまう あーあ、これからは一人でしっかり生きていかなきゃいけないんだからもっと生活スキルをアップさせないとダメ人間になってしまう 玄関の鍵をかけ、リビングへ行き窓を閉めカーテンを全部閉める コーヒーのカップをシンクに置き、お風呂の給湯器のスイッチを押す 時間は深夜の1時20分 明日は朝から企画会議がありいつもより30分早く家を出なければいけないけど、どうせ眠れそうにないし、それならゆっくりお風呂に入って少しだけ仮眠とれればいいや お風呂の湯が沸くまでカップを洗い明日着ていく服を準備する 朝はいつもバタバタしてしまい、服選びに時間をかけられないので、毎晩寝る前に準備しておくのが私の日課だ 友達からは「前の晩に用意って小学生みたい」とよくバカにされるけど、昔から色んな事でそれはもう話のネタにされているので、今では全く気にしてません
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