第3話

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すぐに唇は離れた… 離れてしまった温もりが寂しくて、課長を見る… 「そんな顔しないで…… 止まらなくなる」 そう言ってもう一度私にキスをした 「桐谷さん、タクシー来ましたよ」 ヒカルさんの声がして、ここがヒカルさんのお店だったことに今更ながら気がつく 「あ…わたし… やだ…ごめんなさい…」 何故こんなことしてしまったのか、とまどいと恥ずかしさでどうしていいのかわからない 「謝らないで 俺が悪い… さぁ 帰ろう」 そう言った課長の顔は悲しそうに見えて、私は何故か泣きたくなった なんだろう  この感情は… 胸の奥がギュッとして苦しい 一人では立ってられないくらいの切なさに押しつぶされそうだ これが何なのか、わからないほど鈍くはない でもダメ… もう傷つくのは嫌だし怖い 佑の事が好きなのに、どうして? どうして、課長が気になってしまうの? 今私は弱っているからなの? しばらくグルグルと思いを巡らせていると 「さあ、一緒に帰ろう」 ニッコリ笑って課長がそう言った
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