第1話

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カタカタカターーー ・・ 今は誰もいないこの部屋では、基本電気をつけて仕事をすることはない。 理由は単純に明るいと集中できないのと、この部屋には自分しかいないからである。 大まかなレイアウトは済んでいるので後は細かい修正だけで帰れる。 徹夜までいかず、残業で済みそうだ。 「よし、終わり。」 【喜汰川 日和】は独り言を溜息とともに吐いて伸びをした。 靴箱の戸棚から、見慣れたネズミのキャラクターのキーホルダーの付いた鍵を取り出してのそのそとローファーに足を入れた。 ドアを開けると、少し肌寒い空気が部屋の中に入ってきた。 1日ぶりの外である。 鍵をかけてポケットに乱雑に突っ込むと駅の方へと小走りでかけて行った。
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