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第2話
日を追うごとに、春は暖かさを増している気がする。
特にすることもなく、二十歳の日和青年は河川敷の階段に座って
かなり短くなった2Bの鉛筆を空に透かしていた。
数少ない私物のうちの二つ。
鉛筆とスケッチブックを広げ青年はぼーっとしていた。
春の陽気が眠気を誘い脱力させるのは万人に共通であり、
凄い力を持っているんだなぁ…などと考える。
それほど眠い。
描きかけの草花のデッサンを放り投げ日和は原っぱで大の字になった。
『コツッ』
日和は放り投げたスケッチブックが地面ではないものに当たる音がしたのを聞いた。
「ん?」
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