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それほどまで居場所がないというのは辛いものだ。
学校に居場所が存在しなかった彼らは俺にイジメられることで居場所を得た。
学校ではただ無視され疎まれ蚊帳の外に置かれるしかなかった彼らはイジメられることで被害者という立場を、キャラクターになったといえる。
であるから。
飛田は勘違いしている。
確かに俺からのイジメに耐えかねたこいつら十人は意気投合するものがあったのかも知れない。
学校に居場所がなくかといって不登校という手段も親にゆるされず、 ただ通うだけのこいつらには友達などという高尚ものはいなかった。
だからたまたま俺という共通の話題があって盛り上がり、錯覚してしまったのだろう。
だが。
いま、気づいた。
気づいてしまった。
遅まきながらも賢明なる彼ら九名は、飛田が俺に蹴りかかるのをみて我にかえった。
リーダーという立場を得た愚かな飛田は気づいていない。
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