第2話

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 だがこういった緊急事態ならば、仕方がない。計画からは外れてしまうが、僕の頭脳でラッキースターとやらを何とかしてやろうじゃないか。  あの隕石は二年前に地球にぶつかって内核へと少しずつ向かっている。約5000度という温度を保有する内核が圧力によって固形体を維持しているのは、当然ながら周智の事実だ。そこに隕石が行き着き流動体である外核の間の核膜を傷つけようものなら、圧力バランスが崩れて地球上に溢れだす。すると地球は崩壊する訳だ。  ここまでは凡人でも理解できるだろう。  普通ならば隕石が地球に衝突した瞬間に速度を失い、精々マントルに突き刺さって終わる。それでもマグニチュード20の地震と数百メートルの津波が襲うのだが、奇跡的にそれはない。  そこから考察するに、恐らく隕石と地球の間で特殊な何かが起きている。  例えば、地球に衝突した時に隕石(もしくは地球の一部)が圧縮され、小さな超重力空間ブラックホールとなっている。例えば、隕石に原子力物質であるプルトニウム等が保有されていて、大気圏に入る高温によってメルトダウンを起こしている。  どちらも予測の域を出ないが、NASAが何かを隠蔽しているのは事実だ。そして、圧倒的に足りない情報を得る為に僕は行動した。
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