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さて、どうしよう。
落ち着け。そうだ素数を数えて落ち着こう。2……3……5…7……11……。
「どうしたんだい。……え? も、もしかして違っ……た?」
僕は遠い眼で空を見つめた。何だか頭は真っ白で、妙に清々しい気分だった。
「そんなことはないよ。もちろん僕も超能力者さ。キミと同じね」
もちろん、嘘である。
「そ、そうだよね。なんだ一瞬不安になったよ。じゃあ……」
白鳥君は期待した眼で僕を見ている。僕は白鳥くんに街の方を見てもらった。そして、街を浮かせて逆さまにした……様に見せた。単純な蜃気楼を利用した手品である。
「ブラボー」
白鳥君は両手を叩いて納得した。見事に騙されてくれたみたいだ。
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