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青々とした空に夢を浮かべたのは
まだ私が幼いとき
君と一緒に見上げたヒコーキ
それは鳥になれる魔法のようで
ただ嬉々として眺めていた
隣にいた君はお天道様みたいな笑顔
「大きくなったら偉くなってヒコーキで飛んで会いに来るよ」
私が言ったらまた君が笑ったね
背中に太陽を背負って
君のお天道様みたいな笑顔を浮かべて
私は青々とした空で鳥になっています
お天道様が二つも見ててくれるのだから
私の心配はいりません
すべて終わったら
私は必ずヒコーキに乗って君に会いに行くから
また君の笑顔を私だけに見せてください
君の笑顔だけが私が鳥になる理由です
まだもう少し
もう少しでいい
この魔法が解けませんように
―この数分後
鳥は自由気ままな猫に
お天道様が眩しい青々とした空にて
やすやすと捕らえられてしまいましたとさ
青々とした空に浮かんだのは
無念であろう黒煙
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