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幸い、昼間とモンスターは変わらない。それに数にも限りがあり、リーという頼もしい助っ人まで居るんだ。
だが、それが間違いだった事に俺はすぐに気がついた。いや、気付かされたと言った方が、この場合は正しい。
相手の動きが全く予想できない。あの時は、スキルを使い相手の動きを予測しながらそれに合わせて戦っていたから、何とか持ちこたえていたんだ。
それに、この四人の中では戦闘の技術において俺は一番低い。スキルがあって、漸くアリアを越せるレベルだ。
同じレベルだったアリアは、俺と違いできる限り動きを減らしながら戦っている。それに比べて、俺はそこまで気を使って戦う程の余裕なんて何処にもない。
畜生。焦るな、落ち着け。先ずはこの場を乗りきることだけ考えるんだ。
自分にそう言い聞かせながら、必死に相手から攻撃を受けないよう敵を捌いていく。
「渚!!」
突然、アリアの呼ぶ声が聞こえた。
アリアの方を向くと、今にも剣を降り下ろそうとするドラゴンと人間を混ぜたようなモンスターが居た。
「うぉぉぉ!!」
慌てて反撃したせいで、かなり大振りな剣筋になってしまった。だが、偶々クリティカルヒットし、一撃で倒すことができた。
「っ!?」
しまった!!さっきの攻撃のせいで隙が出来、背後のモンスターに後頭部を殴られた。
体が前のめりに倒れていく。何とか持ちこたえてようとするも、身体が動かない。脳を揺らされたせいで、伝達神経が上手く機能してないのか。
このまま、殺られても皆は困んないよな?
俺は諦めた。もう、反抗するのも面倒になり、そのままゲームオーバーになってしまおうと思った。
「渚ぁ!!」
「拳圧(けんあつ)」
一瞬、俺の上を空気の塊のような物が通ったような気がする。
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