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僕は辺りを見回す
やはりさっきまで死狼が居たところに人が居た。黒いオーブに身をまとっていてどんな人かはわからない
「大丈夫ですか?」
そう言って僕は駆けつけようとする
いや、ちょっと待て
なにかがおかしい
僕は動きを止める
相手も僕が気づいたことに気づいたらしい。立ち上がり近づいてくる
襲われて居たはずなのに、全く傷がないのだ。最悪オーブぐらいは傷ついていてもおかしくないだろう
「立ち止まれ!」
奴は止まらない
「止まれといっているだろう!」
次は止まった。そして、奴は口を開く
「なぜお前は生きている?あいつらの雄叫びを食らっていたではないか」
声は女のものだったが、なにか人ではない透き通った声だった。
戦慄が走る
この威圧感、ただものではない。
背中に嫌な汗が流れる
「こ、こ、答える義理はない。そんなこというなら何故あんたも傷一つついてないんだ。お前は何者だ!?」
言葉が上手くでない
「人に名前を尋ねる時は自分からとか教わらなかったのか??ふむ。まぁいいか。そうだな、私はお前らからこう言われている。」
そう言って彼女はオーブを脱いだ
かなり整っている顔立ちだ。歳は20前後だろうか?僕よりとしうえというのは分かる。素直に認めようとても綺麗だ。一瞬でも見惚れてしまうほどに。
そんな僕の表情を見て察したのか、続けて彼女はニコッと笑み、言葉を放つ
「死鬼だ」
死んだな僕
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