狂愛ディストレス 第4話

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  「明らかにおかしくなってるの、  自分でも判ってるのにね。  今まで普通にしてられたのに、  気付いたらどこまでも深く浸食されてるみたいで──  気付いたら戻れないところに来てるし、  全部捨ててもいいくらい欲しくなるし」  妙に饒舌な芹香は、あたしに語りかけているはずなのに、自分に言い聞かせているようだ。  芹香の瞳が、一瞬カップの中身を見つめる。  でもその瞳はすぐにまたあたしに戻ってきた。 「──そういうの、  判るから止めたのに。あたし」 「芹香」 「これから、もっと苦しくなるよ。でも、あたし知らない」  突き放すような言い方をしながらも、やっぱり芹香は穏やかな目であたしを見ていた。 .
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