狂愛ディストレス 第4話

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  「嫌味、言いたいの?」 「とんでもない」 「幸せかって訊かれたら、幸せだったよ。でもその分苦しいよ……」 「真田には、菜月にしたようにする相手が、他にもいるってことだもんね」 「芹香!」  思考にまとわりついて──でも、考えないようにしていたその事実を突きつけられた。  心がギシリ、と軋む音がしたような気がしてしまったんだ。  口唇を噛みしめるあたしを、芹香は思いの外穏やかな目で見ている。 「ねえ菜月。人を好きになるって、怖いことだと思わない」 「……」 .
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