0人が本棚に入れています
本棚に追加
そこは、端的に言うならば地獄だった。
「嫌……い、いやぁぁあ、うぅぉお、嫌だぁ、嫌だァァァァァァアァアァァァア!!!」
「たすけてよォォ……ママァ、ままぁ、見えないよう……おそとまっくらだよぉぉおぉおォォゥぉお?」
死んだ人間が蘇る、そんな馬鹿げた話があるものかと人は言うだろう。
それは正論だ、人間は一度死んだら二度と目を覚まさない。
それでこそ、それが人間のあるべき姿だろう。
「痛いヨォォぉおおォォォおォォおォォおォォ!!
痛いィっ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
アガッ!?アガォォああァああォォォああ……」
だが、目の前のアレはなんだろうか。
白く濁りきった眼、低く唸るような意味を成さない単語が羅列した声、血塗れのその体。
手当たり次第に近くの人間を襲ってはその血肉を貪り食らう人間のようなモノ。
あれは一体なんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!