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「そいつが乗った車には、女が運転席に乗っていたんですよ。その車が、黒っぽいRV車でした…しまった、そういうことか。矢崎の破った写真に写っていた茶髪の男は、やつだったんだ。どこかで見た気がしてたんだよな」
「くっそう、あのキザ男め。なめやがって」
木内は唇を噛んだ。
木内は直ぐに、捜査本部に連絡して、ラブホテル街に入って来る黒っぽいRV車をマークするように伝えた。
主(あるじ)に置いていかれたBMWが、コンビ二店内の光を浴びて車体を輝かせていた。
「稲葉は、用意周到な男っすね。きっと、不倫をする時には、何時も変装してから、待ち合わせて、ラブホテルに行ってるんでしょう。くそ、完全に一杯食わされた」
金子が、悔しさを堪えきれずに、ドンとハンドルを叩いた。
数分後、捜査本部から連絡が入った。
男女が乗った黒っぽいRV車が、ラブホテルに入ったという知らせだった。連絡を受けて直ぐ、ラブホテルに車を走らせた。
木内は、凶悪殺人犯が潜んでいると、ラブホテルの経営者に吹っかけて、中に突入する許可を得た。
部屋の回りには、逃げられないように警官を配備し、木内と金子で部屋の中へ飛び込んだ。
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