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第39章 不倫の代償
相沢清子は泣きながら自供を始めた。彼女の心の中に溜まっていた罪悪感が、流れ出るように、次々と真実を白状した。
清子は、稲葉の指示で変装して恋時雨に潜入し、矢崎と石墨の近くに座り、盗み聞きしていた。
矢崎が、酔いつぶれて飲み屋から運び出された時、ポケットから一枚の紙が零れ落ちたのを見て、拾った。その紙には、撮影する場所と順番が書き記されていた。彼女は、それを稲葉に渡した。
清子は、スノーボードが好きな事もあり、RV車に乗っていた。事件当日も、RV車に乗り、ブライダルコンサルタントの外回りで、稲葉と共に行動していた。
稲葉は、車で移動するタイミングを利用して、釜ヶ淵で矢崎を待ち伏せしていた。当初は、写真を奪って逃げる予定だった。
しかし、盗みに気付いた矢崎が必死に抵抗したため、もみ合いになり、矢崎は、崖下の岩盤に後頭部を打ち付けて瀕死の状態になった。
清子は、直ぐに救急車を呼ぶべきだと訴えた。
しかし、稲葉は顔を見られてしまったからと、矢崎の頭を、甌穴の水の中に突っ込んで、溺死させた。
清子は、去年の忘年会で、専務にレイプされそうになったと、会社に訴えていた。しかし、真相は、体を触られた程度だった事も白状した。
セクハラを稲葉に相談した所、問題を誇大化して訴えた方が良いというアドバイスに従った。稲葉との不倫は、その相談を境に始まった。
清子は、愛子のネックレスに関しては、全く知らなかった。また、石墨の誘拐殺人事件についても厳しく追求したが、全く知らないと泣き腫らした目で訴えた。
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