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息を切らして廊下の角を曲がると、すぐに束元君の背中が見えた。
追い付けそうで、なかなか追い付けなくて。
あと……もう少し。
少しずつ彼の背中が大きくなると同時に胸の鼓動もどんどん激しく脈打っていく。
頑張れ、頑張れっ!
心の中で自分を励ましながら、大きく息を吸った。
「束、……ふ、……っ」
声を掛けようと口を開いた瞬間、突然立ち止まった束元君。
当然ながら、勢いに任せた身体を急停止する事なんて出来なくて。
「えっ?三咲?」
彼の背中に思いっきりダイブ。
振り返った束元君は、驚いたように目を見開いた。
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