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束元君の香り。
大きくて温かくて、ずっとこのまま抱き付いていたくて……
「……」
「三咲?」
「……」
彼の背中に顔を埋めたまま、恥ずかしくて顔があげられない。
「……そんなに俺の事、好きなの?」
……っ?!
束元君の言葉におどろきを隠せなくて、慌てて顔をあげると、そこには意地悪に瞳を細める彼の姿。
「でも、背中にくっついたままだと歩きにくいから、ね?」
クスクスと笑って、真っ赤な顔をした私の頭をポンポンっと撫でた。
「え、あのっ、ごめん、なさぃ……」
「俺はこっちの方が歩きやすいかな」
ニッコリと笑った束元君は、気まずくならないよう私の腕を引いて然り気無く隣に並んだ。
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