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眩しさに思わず瞳を細めて視点を合わせた先に、私の顔を覗き込む彼の姿。
「三咲?食べないの?」
「え?いえ、」
思わず見惚れてた。
キャンディに?
束元君に?
「あ、もしかして、そのキャンディ嫌いだった?」
彼が一瞬曇った表情になる。
「……ううん、私は…」
止まらない、この気持ち。
どんなに奈落の底まで突き落とされても、こうやってあなたが私をまた引き上げてくれる。
苦しいけど、止められない。
このドキドキも。
言葉に隠した、本当の気持ちも。
ゆっくりと開いた半透明の包み紙から顔を見せたキャンディ。
そっと口に入れると、甘く溶けて弾けた。
「好き」
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