モンスターの真実

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「つ、束元君っ」 ごくりと喉を鳴らして、息を呑む。 「んー?何」 罪のない笑顔が一番訳が悪い。 「わ、私ね、テスト勉強、全然出来なかったんだけど……頑張るつもり、だからっ」 まだドキドキは治まる事を知らなくて、苦しさを残すけれど。 テスト勉強が手につかなかった事を彼のせいにはしたくないから。 「……だから?」 束元君が、不思議そうに首を傾げて答えた。 「だから、えっと、あの……」 ……言わなきゃ。 私が私を“後悔”しないように……。 「だからっ……今日の数学のテストで束元君よりもいい成績がとれたら……」 顔が熱くて、喉の奥がヒリヒリして、身体中が火照ったように熱を帯びる。 「とれたら……?」 試すように私の顔を覗き込む束元君の仕草が、まるで起爆剤のように私の決心を呼び覚ました。
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