764人が本棚に入れています
本棚に追加
答えを待つのに痺れをきらしてそっと瞼をあげると、そこにはお腹を抱えて笑いを噛み殺す束元君の姿。
「三咲、ホントかわいーね」
「……っ」
クスクスと可笑しそうに笑う彼の態度に、また振り回される自分が垣間見えた。
「ちゃ、茶化さないでっ!私、真面目に話してるのっ」
「……」
「ちゃんと……聞いて……」
悔しくてもどかしい。
例えるならそんな感じ。
「……うん。分かってるよ」
彼が突然、声のトーンを落として優しく微笑んだ。
「束も、っ……「もし三咲の方が点が良かったら、何でも言う事聞いてあげる」
私の声を遮って、頭上に落とされた言葉。
それと同時に温かい手が、再び私の頭を撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!