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「しのちゃん……」
私の手を離して、何事もなかったかのように自分の席へと歩いていく束元君の後ろ姿が目に映る。
「……」
朝からいろんな事が有り過ぎて、ぐったりと肩を落としてしのちゃんの方へと向き直った。
「しのちゃん、どうゆー意味?」
しのちゃんは表情を返る事なく、口を開いた。
「三咲もあほだよ」
「……え、」
確かに、私はそう言われても仕方ないんだけれど。
「せっかく二人きりで試験勉強出来るように仕組んだのに」
「し、しのちゃんっ」
教室の中でしてもいい話なのか判らずに、思わず彼女を牽制するかのように大きな声をあげてしまった。
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