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恐る恐る、閉ざしたカーテンの隙間から外を眺めるけれど、そこにはもう彼の姿はなくて。
ホッとしたような、がっかりしたような、自分でも説明できない感情が渦を巻く。
小さく溜め息を吐いてまた自分の座席に座り直したけれど、膝においた手が指先が、まだ震えていた。
「私ってば本当、ばかだなぁ……」
こんな気持ちのまま帰路につく事も出来なくて、ただ静かに流れていく窓の外の景色を目で追った。
……もし、試験の結果が束元君よりも良かったなら。
本当に何でも叶えてくれる?
ねぇ、束元君。
私の答えはもう、決まったよ。
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