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「そ、そんな事っ……ないと思う、よ？」
どもりながら答えを返すと、楠原さんは瞳を細めて。
「そうかな？最近よく一緒にいるとこ見るから、てっきり……」
「てっきり？」
彼女は私の問い掛けに一瞬の間を取って、私だけに聞こえるよう声をあげた。
「……束元君の好きな人は委員長なんだと思ったんだけど」
「……っ」
心臓が鷲掴みにされたみたいにギュギュッと軋んで。
だけど、心の内は意外にも冷静で。
まだ……笑える。
「……楠原さんてば、ヤだな。そんな事ある訳ないでしょっ？」
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