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「あっ、もしかして委員長、迷惑だった?ごめんね。確かに束元君ちょっと変な人だし、覗き魔だし、好きになられても困るよねっ」
慌てたように彼女が繰り出すフォローに、また胸が痛くなる。
「……そんな事……ない、よ……」
おんなじ台詞を何度繰り返せば、私の心のモヤは晴れるんだろう。
もしも彼が私の事を好きになってくれるなら……
「そんな事……ない」
誰も知らない、何も知らない、私だって知らない。
……束元君の、想い。
楠原さんが悪い訳じゃない。
束元君が悪い訳でもない。
私の心にモヤを掛けるモンスターは、きっと。
私自身が生み出しているの……。
「私は……」
マフラーに埋めた口元がやけに熱い。
だけど喉はカラカラで、ひりひりする。
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