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小さく小さく吐き出した言葉が楠原さんの耳に届いたのかどうかは分からないけれど、彼女は突然私の背中をトンっと押して。
「委員長も……普通の女の子なんだねっ」
そう言って、ふふっと微笑んだ。
「言わない方がいいのかも知れないけど……」
「楠原さん？」
「……束元君ね、渡瀬君の友達だから、休み時間たまに一緒になることあるんだけどね」
嘘で誤魔化しても、想いを閉じ込めようとしても。
どんなに願っても嫌いになんかなれない。
他の誰でもない。
それは彼、だから。
それは自分が一番解っているんだ。
「いつも束元君てば、委員長の事ばっかり気にしてるなぁって感じてた」
「……っ」
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