モンスターの真実

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私の知っている束元君は、いつもチャラチャラしてて。 ちょっと話せたかと思うとすぐに他の女の子のところへ行っちゃう気まぐれな人。 彼が気にしてるのは今隣に並ぶ楠原さんなんだってずっと思ってたのに。 「本当、だよ?」 黙りこんだ私を見て、慌てたように肯定の言葉を続けた楠原さん。 「……楠原さん」 ……楠原さん、でもね、私。 束元君にフラれちゃったんだよ。 伝えていいものか悪いものか、躊躇して言葉を飲み込むと同時に彼女の声が届いた。 「渡瀬君から聞いた話だけどね……束元君て、昔はあんなチャラい人じゃなかったみたいだよ」 「え……?」 チャラい束元君、女の子には誰にでも優しい束元君。 「真面目に“恋愛”してる時期もあったとかなかったとか?」
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