第2話 ぼったくりガールズバー

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ハッピーは優しかったし、 朝まで営業するバーでも わたし達は学生だったので、 終電で上がる事も融通してもらえた。 女の子も可愛くて優しくて どんどんリシャールに染まっていった。 ただ、いかんせんボッタクリ具合は当時のミナミでもトップクラスだったので たまにお客さんと揉めることもあった。 「tax20%なんて聞いてへんぞ!」 と、いうのが殆ど。 一応、最初に説明をするけれども まず一杯が高いし、最後に20%上乗せされたら驚く額になるのは仕方ない。 怒ったお客様が店内を消化器でピンクまみれにしたのも、 それを従業員で掃除したのもいい思い出。 そんなリシャールにも慣れて 1ヶ月ほど経ち 専門学校が春休みに入った頃。 ここが稼ぎ時と言わんばかりに 私とマキは毎日朝までリシャールで働いた。 リシャールにその頃やってきた、 新しい女の子。 それが、現在まで7年以上 そして恐らくこれからも 私の人生に香ばしいスパイスを与えてくれる存在。 トップオブ虚言女の登場である。
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