第3話 ルキア

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魔女、もといルキアも私と同い年らしかった。 見た目は暗いし 目もとも黒いし 声も低かったので、 なんか怖い女の子だなーと思った。 このガールズバーのシステムは キャッチに出る女の子、 キャッチの子が連れてきたお客さんを店内で接客する女の子、と 役割が二つあった。 私とマキはキャッチ班で ルキアが店内班だったので、 なかなか話す機会が多くはなかった。 しかし、たまに一緒に接客した時は 「結構よくしゃべるなあ」 と、感じた。 ルキアはバーやキャバクラの経験があるらしく、 初対面のお客さんとよく話せるのは尊敬した。 何度か接客を共にし、 営業後に皆でご飯を食べに行ったりして だんだんルキアとも話すようになった。 そして、 私とマキが専門学生という事などを話し ルキアのリシャール以外での顔も話してもらった。 彼女はリシャールに来る前、 べつの仕事をしていたらしい。 「スタイリストしててん」 「えーー!スタイリスト!かっこいい」 もう私は目を輝かせた。 その頃にはルキアのパンダメイクも、 イコール「メイクが上手い」と解釈。 (実際、ルキアはメイクが上手) スタイリストと言われても すんなり信じ込んだ。 「ジャニーズ事務所専属で」 この言葉も、 当時のウブな私は完全に信じた。
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