お嬢様魔剣でございます

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しれっと言う王に私は後でお灸をすえる事に致しました。 「・・・・白い世界だな」 剣に触れた途端僕はとある白い世界に居た。 確かイワンさんは名のある鍛冶師が造った武具には意志が宿るといっていた。 僕はどうやらその意志ある世界に引き込まれたらしい。 静寂に満ちた世界だ。 「驚いた・・・普通ここまで静かなら恐ろしく感じるものじゃないの?」 「寧ろ僕は好奇心をそそられるけどね」 目の前には黒いドレスを着た金色の瞳の黒い長髪の少女がいた。 どこか無機質さとどこか寂しさを纏う美しい少女。 大きな双山はどこに視線を置いていいか困る。 「・・・・君の名は?」 「無いわ、お父様が純粋な殺戮をテーマに私を造ったのよ、便宜上の名前はあるけど真名はないわ、まあお父様曰くお前の真名はお前が認めた主にのみ名づけられるとか言っていたけど」 「・・・殺戮を芸術と捉えてこその白なのかな?君を造り出したお父さんに会ってみたいな」 「・・・・今まで私の意識に触れてそんな感想を抱いたのは貴方がはじめてよ」 「そうだね、出来るなら僕も命を奪う行為は遠慮したいけど・・・僕の目の前の平穏を奪うならば・・・僕はこの手を紅く染める事は構わない、僕も武具に魅せられた一人なのかもしれないね、護りたいからこそ強くなりたいこそ矛盾を抱えながらも僕は武器を手に取る」 「・・・ふーん、貴方いいわ、すごくいい」 少女は僕の唇に自分の唇を合わせる 「・・・貴方が望むなら全ての敵を屠ってあげる、貴方が望むなら全ての世界を破壊してあげる、貴方が望むなら貴方の全ての狂気を持って全てを支配してあげる、そうね、貴方は白い世界に舞い降りた紅い聖者・・・気に入ったわ」 「・・・・初対面の男の唇を奪うのは感心しないなあ・・でも君が僕を求めるなら僕も君を求めよう、だが契約は頂けない、隷従も頂けない、ならば僕等は婚姻としよう、生涯を通して君の存在理由を満足し続け君は僕の業を背負い続けてほしい」 「最高!!最高よ!!さあ旦那様、私に名前を頂戴!!」 「そうだね・・・君の名前は鈴宮紅雪(すずみやべにゆき)だ」 僕はそっと微笑み彼女の真名を名づける。
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