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彼女は基本的にお金を扱うのは余り好きではない自分と従者が生きれる程度の資金があれば問題はなく食事も広大な敷地で作る作物を自給自足で賄っている。領民には無償で畑を解放しているし、雇用を探す流浪の民には雇用口も用意している。彼女はギルドにおいても最高レベルの実力もあるし王にも影響できる最上級の貴族でもあるのだが、彼女はその権力をふるおうとはしない。
「あら、おかえりなさい、静馬、おいしい苺ジャムを頂いたの、皆で食べましょう」
美しい水色の長い髪を束ね白いワンピースを着た静かな美しさを称えた女性が微笑む。
「いいですね、お嬢様、イワンとルシエラも呼んで頂きましょう」
静馬の主人でもある。
「もう、静馬、私はもう20になるのよ?いつまでもお嬢様は恥ずかしいわ」
「いいえ、私にとってはいつまでもお嬢様でございますよ、それにまた無茶致しましたね?」
キセラの手を取ると火傷の痣が見える。
「・・・・貴女の事だ、恐らく子供達を庇い負傷されたのでしょうが・・・出来るならばこの静馬にめも教えてくださいませ、心臓が・・・痛いのですよ?」
「・・・うう、ご、ごめんなさい」
顔を紅くしたキセラに静馬は穏やかに微笑む。
「・・・ず、ずるいよ・・・静馬だって年齢違わないのに」
「二年は上でございますからお兄さん風は吹かせて頂きますよ、それに何かありましたら早逝なされた旦那様と奥様に申し開きできません、自重するなとは申しあげませんがもう少し大事にしてください」
「う、うう、お父様とお母様を引き合いに出すなんてひどいよお」
「・・・まあ意地悪が過ぎましたがなるべくならば無理のないようにしてくださいね」
そういうと静馬は淡い光を放ちキセラの傷を癒す。
「おいー静馬あ、あんまし嬢ちゃんを困らせんでえーがなー」
「可愛い子には厳しいのね」
ずんぐりむっくりの筋肉質の髭ぼさぼさのブロンズヘルムを被った好々爺と色気たっぷりのメイド服を纏った魅力的なメイドがクスクスと笑いながらやってきた。ちなみに好々爺がドワーフ族のイワン、若かりし日にキセラの父と母に救われて以来ここで庭師兼鍛冶師として働いている。もう一人はダークエルフのルシエラ褐色肌が実に欲情的だ。彼女はキセラに救われて以来ここでメイドとして働いている。
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