その執事危険につき・・・

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ルシエラの方はどちらかというと可愛い妹、イワンは可愛い孫のような形で接しているので家族の形の方がしっくりと来る。 「(おい、小僧)」 気づかれずにイワンは静馬に耳打ちをする。 「(言われなくても魔力痕跡から大体把握してますよ)」 「(・・・さすがだな・・・じゃあワシの言いたい事わかるだろ?)」 「(何年同僚してると御思いですか?)」 「(・・・さすがだな、小僧)」 この間、0・1秒 「さてお嬢様、少し席を外させて頂きますね」 「あら、用事?」 「ええ」 「じゃあ静馬の分はきちんと残しておくわね」 「うれしいですね、では言ってまいります」 「うん、気をつけてね」 「ええ」 静馬はにこりと微笑むと姿を消す。 「・・・相手気の毒ねー」 「ルシエラ姉さんなにが?」 「何もないわよー」 「(しかし相思相愛のはずなのにお互い鈍感だな)」 「ふむ、裏ギルドの支部ですか実にやり方がしょぼいですね」 「な、なんだてめえ!!」 裏路地にあるチンピラ達が集まる安酒場に静馬は現れていた。 「やれやれあのボンクラに進言しますかね、裏ギルドも放置しすぎると害悪でしかないと」 「だからてめえは!」 「少し黙れやボケカス共」 突如現れた黒い剣に目の前のチンピラは黙らせられる。 「・・・まあ殺しはしねえよ殺しはな」 ぬめりと血が流れる。 「うちのお嬢様を傷付けたのは誰だっつってんだよ?俺の魔力感知なめんじゃねえぞ?」 最早ヤバい人である。 「やべえよ!こいつやべえよ!!」 「つかこいつ水の貴族の執事じゃね!?」 「こいつ悪魔よりこええぞ!!」 「つかこいつ普段の口調とちげえぞ!!」 「てかその仕事ボスの仕事じゃね?」 「「「ばか!!」」」 「よしてめえら神に祈りやがれ」 静馬の無慈悲な声が酒場に響く。 「・・・な、なんで誰もいねえの?」 ボスと思しき男が戻ってくると部下がいる痕跡がないのを確認し冷や汗をかきながら立っている。あまり度量が高い人間でないらしい。 「・・・てめえがボスか?」 執事服に不釣り合いな黒い剣を持つ男が囁いた。
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