プロローグ

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   今日のプレゼンは、絶対に成功させなきゃならない。  コレを落とすと、アタシの今月の営業成績は…全滅…ということになる。  歩合制ではないから、給料がゼロになるとか、減らされるとかは無いけれど、だからこそ逆に肩身の狭い思いをすることになる。  今月、仕事を取れていないのは、アタシと…山下の二人だけだ。  山下は、「ヤマシ~太」とアタシが心の中で勝手にアダナを付けて、バレないように呼んでいる男性社員だ。  開発部門にいたらしいけれど、どういうわけかアタシたち営業部門の方へと今年から配置換えになった。  きっと、よっぽど「使えなかった」に違い無い。  配属初日から遅刻ギリギリで出勤し、夜中に何をやっているのか、誰の目にも寝不足に見えるだらしない表情を隠そうともしない。  ちゃんと顔を洗ってきているのかも疑わしくて、アタシは初日から既に、奴に「対象外」というインデックスを付けてやった。もちろん内心でだけど…何の対象外かは…分かるわよね?…無人島で二人っきりになったとしても…というヤツね。絶対ヤダ。  その山下は、コンビニにパンでも買いに行ったのか不在だった。気持ち悪いアイツの顔を見ずにすんで、アタシは軽くホッとした。  朝、飲んできた鎮痛剤の効果が切れ始めてきていてる。  だから、プレゼンの最中に薬を飲むワケにはいかないから、アタシは早めに鎮痛剤を飲んでおこうと愛用のポーチの中を探った。  ………ない? ・・・
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