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「どうだ? 矢田?」
半田は矢田へ声をかける。
「あぁ。前と同じだ」
矢田は答える。
「前? どういうことですか?」
刑事は聞いてくる。
「ここ半年の間に、歴史に名を残す人物の墓が暴かれ遺体が消えるという事件が他にも起きてます。」
「他にも遺体を盗まれているのですか?」
刑事は驚く。
「えぇ。確認しただけでもすでに20件。」
半田はそういうと煙草を取り出して火をつける。
「信じられんなぁ。そんなに遺体を盗むとは。犯人は異常者ですな」
「いや、盗まれたとはいえないな」
矢田は、ぶっきらぼうに言う。
「どういうことで?」
「見てみろ。この辺の土や穴。掘り返したというよりも墓の中から這い出してきたような感じだろ?」
刑事は矢田が何を言っているか理解できないという顔をしている。
「あとは任せます。報告書は警視庁へ出しておいてください。それでは」
半田はそういうとその場を足早に去っていく。その後を矢田も歩いていく。
「なんなんだ? あいつらは・・。」
二人の後姿を見ながら刑事は呟く。
「はい。前と同じです。えぇ、警視庁には手を回して置いてください。では。」
半田は携帯電話で話し終えると電話をポケットへしまう。
「なんだって? 上の連中は?」
矢田は聞いてくる。
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