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手に持ったカードと膝の上に置いたチョコにぽとり、ぽとりと涙が落ちる。
視界は歪み。すでに文字は見えなくなっていた。
「バカやろう……こんなの……こんなの直接言えよ……。こんな大切なこと……手紙ですまして……認められるかよ……」
歪む視界の中、膝の上に置かれたチョコレートを取ると一つたべた。
「苦ぇ……」
それは特に苦目のチョコと甘さを抑えたチョコで作った甘みを抑えたチョコレート。
『チョコ好きじゃなかったっけ?』
『別に、甘いの好きじゃねぇし』
『そっか……そうだったっけ……?』
きっと、あの時に言った強がりのために、わざわざ甘くないやつ作り直して。俺の好みに合うように。
「バカやろうなの、俺じゃねぇか……!」
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