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センター試験も終わり、高校卒業、大学入学を控えた2月13日。この時期は本人たちより準備に奔走する親たちの方が大忙しだ。
もっとも、我が親たちは準備そっちのけ、夫婦水入らずで明日から旅行だそうだ。
「チョコ好きじゃなかったっけ？」
「別に、甘いの好きじゃねぇし」
脇から不思議そうに覗き込んでくる夢の頭を押し戻しつつ、男子高校生精一杯の強がりを言う。
バレンタインは『あの人誰からももらえないから自分で買ってるわよ……』と思われそうでいけない。自意識過剰なのはわかっているが。
「そっか……そうだったっけ……？」
と夢は何かを考えるように、俺は朝の眠気を噛み殺しつつ。学校へと向かう。
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