5人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫! 私が腕によりをかけて作ってあげるよ!」
そう言って笑っている夢の姿を見ると、まぁいいかと思ってしまうから我ながら仕方ないなと思う。
「それじゃ、明日は一回帰ってから準備して行くね」
そう言うと商店街を過ぎた所の交差点で夢は前に出る。
ここの交差点は結構危ない。信号がないのに見通しが悪く、それでも車通りの多い場所で、結構スピードが出ていることが多い。
「危ねえから気を付けろよ」
本当に楽しそうに前を行く夢に釘を刺しつつ、跳ねるように横断歩道を渡って、家路につく背中を見送って。
バレンタインに男の家で料理を作る分にはチョコじゃないからいいんだろうか?
などと無駄な事を考えつつ帰る道すがら俺の心は少なからず踊っていたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!