雨雫

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雨模様は好きな筈なのに…… 今日は暗くて冷たく強い雨が止むこともなく降っている。 一雫、一雫が水溜まりから川になって流れて行く。 行き先は何処? 私の雫は水溜まりのまま…… 行き場のないまま…… どんどん深くなって行く。 手足から心まで冷たく眼を閉じたなら孤独と言う重りで永遠の暗闇に沈みそうになる。 叶わない夢物語とわかっているけれど…… こんな時は、あなたを思い出す。 こんな時、あなたが側に居たなら、 居てくれたなら、 しがみついて、止めどなく流れる雫をあなたに流すから受け止めて欲しい私の思い。 私を感じたなら、雫が永遠に止まる位に優しく、強く、抱きしめて…… 無理だとわかっているけれど…… 私の行き先を、 そして、出来たならその先にあなたが居て欲しい…… 私の願いは たとえ、水溜まりのままでも…… たとえ、拭いきれない程の雫が溢れてきて溺れても…… あなたが側に居てくれたなら…… 雫を拭きながらでもあなたを感じたい。 叶わぬ夢物語。 何処に流れたら、あなたに逢える? (無理!) 降りやまぬ雨の雫なら、川になってあの人の所に連れて行ってくれる? (無理!) やっぱり………一雫、二雫…… 夢物語に溺れて眠り姫……
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