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「そういえば吟、今日も委員会サボったんだって?」
「委員会……、…俺何委員に入ってたっけ?」
「そこからなの!?保健委員でしょ。入れば堂々と保健室で寝られるからって…いや実際そんなこと許されないんだけど」
「あぁ……うん、そうだった気がする」
「まったく……山田が探してたよ」
「山田って誰?」
「そこからなの!!?うちのクラスの保健委員。保健委員はクラスに一人ずつなんだから、他のクラスと協力し合わなきゃ……」
そこまで言って、「協力」と言う言葉が吟の前では無力化されることを思い出して樹琉は口をつぐんだ。
「協力ねぇ……、樹琉が保健委員なら俺もやる気になったけど」
「やる気っていうか、どうせ委員会には参加しても仕事は全部俺行きだろ」
「当たり前だろ。なんでお前保健委員になんなかったんだよ」
「山田が『養護の先生が美人すぎるから、俺にお近づきになるチャンスをくれ』って言ってきて……」
山田の、命でもかかっているのかと疑う必死ぶりを思い出しながら説明すると、吟は呆れたように深々とした溜め息を吐いた。
「どうしようもねぇ理由だな…」
「吟にだけは言われたくないと思うよ」
今度は樹琉が嘆息して、無造作に椅子に掛かっていた吟のブレザーを手に取る。
「明日は行けよ」
「はいはい」
「はいは一回」
「お袋か」
吟は拗ねた子供よろしく窓の外に視線を投げ、樹琉は投げ出されていた彼の鞄とネクタイを拾い上げる。
「ほら、帰ろ」
微笑んで言えば、吟は漸くのろのろと、腰を下ろしていた窓のサッシから床に足を着ける。
そして、樹琉から受け取ったブレザーに袖を通した。

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