平風紀委員君と生徒会長

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「飽きた」 「……は?」 「くくっ……なんだその間抜け面は。もう一度言ってやろうか?飽きたんだよ 、あのお子様の相手に」 間抜け面と言われ少しむっとしたが、確かに今の俺の顔はまさに開いた口が塞がらない状態だ。 好きだと思っても冷めることはよくあることだが、あんなに盲目的に追いかけていた相手を飽きたの一言で片付けられるのか? 「勘違いしているようだが、俺は透を恋愛的な意味で好きだと思ったことはない。あからさまに装飾品扱いするあいつにこれ以上耐えられなくなったんだ」 装飾品……本人には自覚がなさそうだが、取り巻きたちをそう思っていそうだよな、あいつ。 俺が思っていたよりも、会長は人を見る目があったらしい……悪趣味だけどな。 だからといって、今までのことが許されるわけない。 現に千歳を倒れるまで追い詰めたのだから。 睨み付けるように会長を見るとその視線に気づいた会長は、ふぅ、と息を吐いた。 「許してもらおうなんて思ってないさ。今日ここに来てそこにいるお前にべったりな篠沢から今までのことは聞いた。……倒れたこともな。透に恋情は抱いていなかったが、どこまでもまっすぐなあいつに憧れていたのは事実だ」 許してもらおうと思ってないと言った会長は苦しそうな顔をしていた。 「冷静になればなるほど、なんであいつに憧れていたのか不思議で仕方がないんだ。あんなのただの我が儘で人の言うこと聞かないお子様だったのにな」 こんな弱気な発言を会長の口から聞くことになるなんて思ってもみなかった。 いつも堂々としていて、人の目を引く……そんな人が今は少し小さく見える。
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