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「ただいまー…」
とあるマンションの一室の扉を開く。
「勇騎!?アンタ大丈夫だったの!?」
いきなりすっ頓狂な声で姉・呼道優子が駆け寄ってきた。
連絡をすっかり忘れていたな。
「う、うんまあ…大丈夫」
「よかったー…」
安堵する姉の後ろからつけっぱなしのテレビの音が聞こえる。
『現在、警察は本事件とライダージュエルという玩具を使用する遊戯との関連性があると見て捜査を開始しています』
やっぱりそうなるよなぁ。
ニュースを聞きながらぼんやり考えていたのだが
「勇騎、それなに?」
姉が指差していたのは紛れもなくあのバックルだった。
やべぇ、剥き出しのまま持ち歩いてたんだ俺。
「いや、これはその…大会の参加賞…みたいな?」
「アンタね、危ないめにあっといて持って帰ってくるフツー?」
正論過ぎる正論だ。だが、今の俺には必要なものだった。
「ま、そのうち処分するさ。疲れたから寝るー」
「ちょっと勇騎!」
制止も聞かず戸を閉める。そのままベッドに倒れ込んだ。
「この力、どうしたらいいんだ…?」
翳したバックルに問いかけても、答えは出ない。
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