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春風が吹いて、桜の花びらが宙を舞う。
新しい制服に身を包み
入場門をくぐる。
中学一年生の入学式
私はこの時、新たな出会いとか、新しい恋人とかに、胸を踊らせてはいなかった。
なぜかというと、高校一年生や、小学一年生より、少し地味な感じがするからだ。
高校生は花の高校生と言われるし、小学生はちっこくて可愛らしい。
でも中学生は、可愛らしさもなければ、大人びた印象もまるでない。
それに、ほとんどの子が小学生の時の顔なじみで、何が楽しいのかも、何がそんなに楽しみなのかもわからなかった。
そんな私の中ではあまり楽しみではない中学校生活が幕を開け
私はもちろん、地味な中学生活を過ごした。
成績は上の中。
友達も多くもなく少なくもない
担任は女の先生で
私たちはMs.西山と呼んでいた。
小学生の時と余り代わり映えのしない生活はあっという間にすぎて
9月の後半まで日にちはすぎた。
その9月、私はその時
少し遅い春を経験することになる。
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