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「……駄目だって。とっくに別れたんだよ、あたし達」
「そんなことどーでもいい。マナミが誰を好きでも、俺がマナミのこと好きだから、それでいい」
「ヒデオ」
「嫌なら逃げろよ。大声出して義母さん呼んでもいいし、ひっぱたいたって、蹴ったっていい」
困って黙り込むあたしのブラウスを、ヒデオは肩から滑らせる。
ブラウスはぱさり、とフローリングに落ちた。
「俺にしたらもう会えないと思ってたから、こんなチャンス二度とない。でもマナミが嫌だって本気で言うなら、やめる」
嫌……?
そんなの今、判んないよ。
だって、あたしだって、ずっとこういうことしたかった。
……ヒデオと。
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